榎田尤利 『菫の騎士』
菫の騎士 (SHY NOVELS 205)菫の騎士 (SHY NOVELS 205)
(2008/05/09)
榎田 尤利

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満足度★★★★☆

菫の騎士/幼馴染の年下従兄弟(ダンテ)
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光の精霊を守護に持つ騎士/領主(アルヴィン)


BLでファンタジーって結構難しい。
ファンタジーの独自の世界観に1冊で読者を引き込まなくてはならないのがそもそも難しい上に、読者はファンタジーよりもBL部分の愛やエロをまずは求めているわけで、ファンタジー世界を確立しながら、尚且つBLの面白味を充分に発揮している作品って中々少ないのです。
その点、榎田さんは既にファンタジー(非BL)では面白い作品を沢山書いていらっしゃる作家さんなので、ついにそれが思いっきりBLで読める!と楽しみにしておりました。

精霊に守られた地の領主であるアルヴィン。幼い頃に離れ離れになった従兄弟のダンテと、菫の花の咲き乱れる丘で十五年ぶりに再会する。しかし再会したダンテはアルヴィンを慕っていた頃の可愛らしい少年の面影はなく、猛々しい空気を纏った騎士に成長していて、アルヴィンを疎んでいる様子を隠そうともしなかった。かつては精霊の姿を見ることすらできた純真な少年は、成長した今、精霊の存在を否定し、戦を好まないアルヴィンを騎士として領主として腰抜けと非難する。何が彼をこれほどに変えてしまったのか…

物語の完成度はいうまでもなく丁寧にディテールが描かれていて、楽しめます。アルヴィンがダンテと彼の部下の前で、幼い日のダンテの可愛さをぽろぽろ思い出語りして、ダンテが苛立つのも微笑ましい。ただし戦に関しての持論はアルヴィンよりダンテの方に断然共感してしまうのがちょっと私にはネックでした。(多分重要なところだと思うのに…)見方を変えればだからこそ、そんなアルヴィンの元にダンテが添ってくれるというのがいいのかもしれませんね!
途中、媚薬エッチ裏切った敵からの陵辱(未遂)やらとBL要素を散りばめつつ、それでもやっぱり
「ファンタジー>BL」
かなぁ…と読み進めておりましたが、どっこい!ラスト!

「臣従の誓い」って!!!

ちょ、この二人!

結婚式挙げちゃいましたよっ。
(え、あれってそういうことですよね!?)(※違います)

領民に囲まれ、親族の前で、司祭様の進行で、純白の衣装に身を包み!!!!!

誓いの言葉を、しかも ア レ ン ジ !

ファンファーレも鳴るってもんです
あれ?誓いのキスはしてませんでしたっけ?と思わず苗は本の頁を繰って確かめてしまいました。
なんかこう、普通のファンタジーを楽しみつつ「この二人、実はデキテルに違いない(キラーン)」と萌える同人二次創作腐女子的願望が作中で「そう、その通り!と満たされていくような快感を感じましたこの微妙さが伝わるでしょうか?(笑)

勿論、初夜までキッチリ描いてくださってます
そしてほんわか幸せになるな〜、好きだな〜と思うのは、最後の最後で菫の騎士さんの「小さなあの子」が仕掛ける可愛らしい祝福の悪戯の描写です。大体、小さな子っていう言い方も愛しいよね。ああ大好きだ。
お伽の物語を堪能しました

テーマ:ボーイズラブ - ジャンル:本・雑誌

【2008/05/11 19:05 】
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